日曜日の昼下がりに何となく映画が見たくなりました。前から少し気になっていた邦画「花束みたいな恋をした」をアマゾンプライムで鑑賞。作品についてはタイトルとキャストの一部を知っている程度の予備知識ほぼゼロでした。
2025年3月現在、49歳の感想を記しておきます。
私は1999年に大学を出て社会人になりましたので、この映画の物語の舞台よりはもう少し前の時代を生きたと思いますがなんだか自分が送って来た大学生から社会人初期にかけての人生を俯瞰しているような、既視感があって不思議でした。
遠い日の思い出を見ているような、そんな感触です。私も高校生、大学生の頃は文学小説や推理小説、ファンタジー小説などが好きでよく読んでいたのですが、社会人になって仕事や他の遊びに時間を費やすようになり本から離れている時期があったように思います。ゲームもまたしかり。
そして、いつの間にか、自分自身が49歳というそれ相応の年齢になっていることに映画を通して気づきました。20代の人がこの映画を見たならば、主人公たちに自分を重ねるでしょう。ところが、自分自身はこの映画の中の登場人物と重なるのは主人公たちの会社の上司役だったり、親の役だったりするわけです。映画の中の主人公の会社の先輩役ですら、私からすれば自分の部下にあたります。いやはや、本当に自分は49歳なのだろうかと怪しくなってきてしまいました。
映画の中で、「働く」とは何なのかを突き付けられるシーンが何度か登場するたびに、49歳になってもザラリとした何かを感じてしまう自分に未熟を痛感してみたり。
「花束みたいな恋をした」というタイトルから恋愛が中心の映画なのかな?と、勝手に思っていた部分もあったのですが、良い意味で見事に裏切られました。個人の人生、社会の移り変わり、価値観、人の成長、分かれ道、青春・・・といった様々な要素が見事に瑞々しく描かれていて49歳なりにいろいろと感じて考えさせられる素晴らしい作品でした。
もし私が大学生の頃にこの映画を見ていたら何を感じただろうか、社会人3年生ぐらいの時に見たら、30代半ばだったら、と、想像はつきません。様々な年代の人がこの映画を見て、何を考えて何を感じるのか、とても興味深いです。様々な年代の人にお勧めできる良い作品でした。
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